〜〜〜大津町衆の心意気&豪華絢爛な13基の曳山とからくり〜〜〜
(滋賀県大津市)

大津祭の曳山(ひきやま)の綱引きボランティアに参加して20数年、
湖国の秋祭り、大津祭の見どころ・見物ノウハウをお伝えします。
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平成26年(2014年)は、宵宮が10月11日(土)、本祭(曳山巡行)が10月12日(日)でした。

平成27年(2015年)は、宵宮が10月10日(土)、本祭(曳山巡行)が10月11日(日)です。



(2000年より、10月第2日曜日が本祭となりました)

WHAT'S NEW!
◆都合により、2014年、2015年は不参加です。残念。New
2013年のページを作成しました。
10/6山建て・曳初め 10/12宵宮 10/13本祭曳山巡行
大津祭曳山会館の映像や展示が2011年4月から新しくなりました。
日本の山車HP(滋賀県)にリンク 
リンク集に1件(大津祭の楽しみ方)追加 おすすめ
曳山連盟広報誌への寄稿文を追加
◆リンク集に1件(ちま吉ウェブサイト)追加
◆大津市立歴史博物館のHP内に、「学芸員のノートから」に
「第4回明治期の大津祭」という記事があります。たいへん興味深いです。
くわしくは、
大津市立歴史博物館のHPへ。
◆滋賀県が
『湖国の曳山祭り』(滋賀プラスワン特別号)
紹介しています。(
最近接続不可、図書館などで閲覧ください)

 

index
その1.大津祭って、なんや〜?
その2.ちょっとだけ見るなら、この時刻に来てや〜
その3.大津に着いたら、まず、これを入手!
その4.朝から夕方まで楽しむのなら、
その5.曳山に注目!(1)−構造編
その6.曳山に注目!(2)−懸装品(飾り幕)編
その7.曳山に注目!(3)−からくり(所望)編
その8.粋な囃子方(はやしかた)たち
その9.曳山を動かす山方・綱引きたち、そして女性は?
その10.前夜の宵宮から楽しもう!
その11.もう一つ?の大津祭
その12.もっと、もっと楽しみたいのなら、

Emailびぃ〜丸Bee-maruにメールください(update Oct.4 2015)

(2015年巡行順)
西行桜狸山殺生石山源氏山→猩々山西王母山石橋山
神功皇后山
→郭巨山
孔明祈水山西宮蛭子山→湯立山
龍門滝山
月宮殿山
 

その1.大津祭って、なんや〜?上に]
    簡単に言ってしまえば、琵琶湖畔の大津市に、江戸時代初期から伝わる
  華麗な13基の曳山(山車)が巡行する祭りです。京都の祇園祭の小型版とも
  言う人もいますが、華麗に飾られた曳山が3輪形式であったり、町内各所で巧妙なからくりが
  あったり、ちまき投げがあったりetc.と、親しみやすく、大津祭独特の味わいがいっぱいです。
  ぜひ足を運んでみてください。由来など、くわしい祭り紹介は、リンク集を参考にどうぞ。

  
朝9時、天孫神社前に全13基集合
  

その2.ちょっとだけ見るなら、この時刻に来てや〜上に]
   本祭での曳山巡行は、朝9時に出発して、夕方5時頃まで街中を巡行しますが、
  ハイライトは、観覧席が設けられた中央大通りを巡行する13:45からでしょう。
  JR大津駅から徒歩5分もかからない
大通りの京都側に有料の観覧席(H22年より床机、
  以前はイス席)が設けられます。登り坂を曳山が力強く引かれ、からくりも見やすい。
  ただしH22から有料観覧席の後には紅白幕が張られるため、見づらくなっています。
  反対の街路は、曳山が下り坂をブレーキをかけながらの巡行であり、陽射しが
  まぶしく、からくりが見にくい場所もある。13基全部見ても1時間ほどです。  
   しかし、大津祭は、街中どこでも間近に見れますので、ゆったりとしたところでご覧ください。
  午後の巡行に先立って、12:30頃には、この観覧席の北側(琵琶湖側)に全曳山が
  整列展示されますので、早めに来て楽しんでください。
  有料観覧席の人には、大津祭の厄除けちまきなどの記念品が付くようです。
  (一席3000円、大津駅観光案内所・大津曳山展示館などで販売)

  
午後の出発!先頭の西行桜狸山(左)、有料観覧席付近のにぎわい(右)
  

その3.大津に着いたら、まず、これを入手!上に]
   大津駅や中央通り京都側有料観覧席の中ほどの大津別院前に大津市観光協会の
  臨時案内所が設けられます。無料の大津祭パンフレットを入手しましょう。
  2006年より、背中に大津祭や長柄衆と書かれた法被(はっぴ)を着た大津まちなか大学
  大津祭学部の”学生や卒業生”も
、パンフレットを配り、ガイド役を行っています。
  パンフレットには、各曳山の紹介と巡行経路・時刻・からくり場所などが載っています。
  もっとくわしく知りたい方は、有料の冊子販売所をどうぞ。

  
  無料のパンフレット(左)、有料のちまきやガイド本を売るかわいい売り子さん(右)
  

その4.朝から夕方まで楽しむのなら、上に]
   はっきり言って、一日ぶっ通し見物は、しんどいでっせ!(笑)
  私の経験からいうと、曳山巡行の見どころは、曳山巡行地図を参照、時刻は先頭]
  @ 9:00− 天孫神社南側への全基集合、整列
  A 9:30− 天孫神社でのくじ改め、からくり(所望)奉納
  B11:10− いわゆる電車道の登り(国道161号北側)
  C11:15− 丸屋町通アーケード街への進入
  D13:45− 中央大通り(観覧席)登り
  E15:50− 再び、いわゆる電車道の登り(国道161号南側)
  F16:30− 寺町通り下り、フィナーレ(もどり山)
  というところでしょうか? 都合の良い時に見物してください。
  もちろん、途中の街中での楽しみもいっぱいあります。
  旧東海道の町家が並ぶ町を散策したり、すぐ近くの琵琶湖畔での憩いを楽しんでください。
  また、各町内での朝8時すぎの「出発式」や17〜18時頃の「解散式」も興味深いものです。


 京阪電車(路面線路部)と接近して登る(左)、巡行を終え、町内に戻った殺生石山(右)
   

その5.曳山に注目!(1)−構造編上に]
   江戸時代初期から受け継がれてきた曳山は、くぎを1本も使わない組立て式。
  10月初めに各町内で山方(やまかた)さんと呼ばれる大工さんが中心となって
  躯体を縄で縛り上げ、2層の曳山が組み立てられます。(本祭翌日には、解体)
  13基とも3輪形式で屋台のある2層式という基本構造はほぼ同じですが、
  よく見ると随所に各町内のこだわりに気付く。じっくり見てみよう! 屋根が違う、
  飾り金具や欄間にいろいろな動物・人物がいる、そして天井まで覗き込んでみよう。
  優美な花鳥図や星座(星宿)の金銅彫刻も見つかりますよ。


随所に違いがある各曳山(左)、前輪を囲う轅(ながえ)にもたれ休憩(右)
    

その6.曳山に注目!(2)−懸装品(飾り幕)編上に]
   曳山の胴回りには、刺繍などの伝統ある豪華な幕が飾られます。重要文化財である、
  16世紀のベルギー製見送幕や数世紀に渡り使われてきた中国の故事にちなむ
  染織品などに大津祭のもつ歴史深さに驚嘆します。特に、そのベルギー製である
  月宮殿山の見送幕と龍門滝山の見送幕、そして京都祇園祭の白楽天山の前懸などが、
  かつて一枚の大きなタペストリーの一部であったことが報告されており、当時どのように
  して、このように大津祭に伝わってきたのか、興味がわく歴史ミステリーです。
   殺生石山の見送りは、昭和59年製で、大津出身の文化勲章受賞者小倉遊亀画伯が
  富士山を描いた「霽(は)れゆく」です。後世に今の時代の作品を大切に継承して欲しい。


  16世紀ベルギー製の龍門滝山の見送幕(左)、殺生石山の見送幕「霽れゆく」(右)
  

その7.曳山に注目!(3)−からくり(所望)編上に]
   全曳山の屋台には、中国の故事や能・狂言に題材をとったからくり人形が置かれ、
  町中約25か所で、からくり(所望;しょうもん)を披露します。全国的にも珍しいこのからくりは、
  いにしえの大津町衆の先取の精神や財力、文化水準の高さを示すものでしょう。
  からくりは、パンフレットに書かれた所望場所で行われます。家の軒先などにつけられた、
  竹棒先端に紅白の和紙札が付いた御幣が所望場所の目印です。
  からくりは紐(ひも)で操られ、くるっと回転や変身など各曳山の巧妙な演出があります。
  是非、堪能してください。なお、曳山の角度によっては、見えにくい場合があるため、
  リンク集に掲載したサイトのコメントを参考にしてください。


2階から猩々山のからくりを見物する人々
    

その8.粋な囃子方(はやしかた)たち上に]
   曳山の屋台には、旧町内の小学生や青年たちが乗り、鉦(いわゆるカネ)・太鼓・笛を
  演奏し、巡行やからくり時に、さまざまなリズムを奏でて祭りを盛り上げます。宵宮や
  本祭午前中は、コンコンチキチンなど落ち着いたリズムが多いのですが、本祭午後には、
  囃子方は黒い儀礼用着物(紋付)から伊達(だて)な色付きの着物(着流し・長襦袢)に
  着替え
、登り坂などで、激しいリズムに変わります。そして巡行終盤には、もっとも速い
  テンポのお囃子となり、「ピーヒョロ、ピヒョロ、ホッ、ホッ、ホッホー」と大声をはり上げ合い、
  祭りの名残りを惜しみます。囃子方・山方・綱引きと一体となって、見物の方もお楽しみください。
   また巡行中、囃子方たちが、厄除けちまきや手拭いなどを見物人にまいてくれます。
  
見物人同士の奪い合いは事故・怪我のもとです。縁起ものですので、運良く自分のところに
  飛び込んでくるのを待ちましょう。

  
朝、出発前のなごやかな囃子方たち(左)、厄除けちまき(右)
 
 13枚の曳山手拭いで作られたのれん
  

その9.曳山を動かす山方・綱引きたち、そして女性は?上に]
   曳山を操作しているのは、曳山の周りに取り付く山方(やまかた)さんと綱引きたち(曳き手)です。
  山方さんは、代々、町内から頼まれた大工さんなどで、町の辻に来ると、前輪を囲う
  轅(ながえ)を持ち上げ、木棒の梃子(てこ)で後輪を突き、巧みに曳山を方向転換させます。
  綱引きたちは、最近では、地元企業、郵便局、自衛隊大津駐屯地、一般市民、外国人研修生
  (米国ミシガン州派遣大学生、学校の外国語指導助手ALT、企業研修生など)の
  ボランティアが参加しています。多くの平坦な道路や下り坂は軽く引くことができますが、
  登り坂はちょっとだけ頑張りが必要です。
   山方さんは、老若にかかわらず、味のある人(失礼)が多く、私の毎年の楽しみでもあり、
  写真コンテストの被写体にも、多く撮られています。
   ところで、女性は?というと京都祇園祭同様、表立って曳山には参加していません。
  早朝に、囃子方の息子さんを送り出し、町会所などでつつましく世話している母親や
  通りに面した家の2階に赤い(緋)もうせんを敷き、笑顔で見物している女性たちが印象的です。
  しかし時代の流れを考慮し、2004年より綱引きへの女性の参加を認め、話題が上がっています。
  なお、本祭1週間前の曳初めなどでは、女性や子どもも綱引きを行なっています。


  愉快な山方さん(左)、綱引きたち(右)
  
出発前の母親たちの見送り(左)、巡行が通り過ぎた後の女性たちの憩い(右)
  

その10.前夜の宵宮から楽しもう!上に]
 ◆2006年より宵宮スタンプテーリングが復活しました。従来のスタンプ台紙を改め、
    「大津祭宵宮集印18ヶ所回遊帖」と題したスタンプ帖(有料500円)です
    押印場所は、13基の各曳山・天孫神社・布袋ねりもの・神楽山人形飾り・神輿・
    曳山展示館の18ヶ所です。
   
◆2004年より、宵宮スタンプテーリングは、「宵宮記念スタンプ」と名称変更し、
    記念品(粗品)が無くなりました。たいへん残念ですが、ご注意ください。

   京都祇園祭同様、大津祭にも前夜に宵宮があります。各曳山には無数の提灯が
  飾られ、「コンコンチキチン」のお囃子が奏でられ、優美な情緒を生み出します。
   大津祭宵宮には、スタンプテーリング(17−21時)があります。
  まず大津別院前の臨時案内所・JR大津駅・京阪浜大津駅・大津祭曳山会館で
  宵宮集印回遊帖(スタンプ台紙)を入手します。(無料) 

  そして16か所(2003年)の曳山展示場所などでスタンプを集め、臨時案内所に届けると
  記念品(粗品)がいただけました。(2003年まで)(全部集めるのに1〜2時間ほどかかります。)
   大津祭にちなんだオリジナル品で、過去、私が入手したものでは、レターセット(2003年)、
  トランプ(2002年)、マウスパッド(2001年)、大津絵飾り皿、携帯電話ストラップ、コースター、
  キーホルダー、ハンカチなどがありました。
  【ご注意】
   
2002年、臨時案内所でたずねたところ、記念品の数量に見合う分だけ、スタンプ台紙を
  発行しているそうです。しかし、19時には、臨時案内所で、スタンプ台紙が品切れとなり
  JR大津駅でも残りわずかという状況でした。まず早めにスタンプ台紙を入手しましょう。

  
提灯で飾られた石橋山(左)、囃子を継承する孔明祈水山(右)

  全スタンプが押印された宵宮集印回遊帳(左)と記念品(右)2003年まで
  

その11.もう一つ?の大津祭上に]
   江戸時代の大津祭は、曳山だけでなく、ねりものと言われる仮想行列のようなものが
  いくつか、ねり歩いた様子が記録されています。今、残っているのは、新町の布袋(ほてい)
  のみです。また、下百石町には、神輿があり、当時町内をかつがれていたと言われます。
  また堅田町の神楽山は、明治5年(1872年)まで曳山でしたが、現在は、からくり人形
  4体のみが残されています。いずれも、宵宮・本祭に町内で飾られ、末長く継承されています。


新町の布袋(左)、堅田町神楽山のからくり人形(右)
  

その12.もっと、もっと楽しみたいのなら、上に]
  ・本祭1週間前の山建て、曳初めを見物する。
  ・写真が好きなら、大津祭写真コンテストがあります。(問合せ先:びわ湖大津観光協会
  ・インターネットで見つけた主なサイトは、こちらのリンク集に掲載しました。
  ・丸屋町の大津祭曳山展示館では、実物大模型の西王母山が常時展示され、
   祭り映像などが見れます。(入場無料、月曜休館)
  ・瀬田南大萱町の滋賀県立図書館では、大津祭総合調査報告書などの関連資料があります。
  ・御陵町の大津市立歴史博物館では、ロビー(無料)に映像資料コーナーがあります。
  ・大津祭と町住民のかかわりなどを調べる大学研究室グループも時々見かけます。
  ・さらに私のように好き好んで(笑)、綱引きボランティアに参加したいのなら、
   7月頃に大津市の広報や新聞などに募集案内が掲載されます。
   なお、H16.7より、大津祭曳山連盟のHP上でも募集しています。
  ・平成18年より、『大津まちなか大学大津祭学部』が市民講座として開校して、学科や
   実地研修を通して、大津祭を学習しています。その卒業生たちが、大津祭の支援団体
   「長柄衆」(ながえしゅう)として、祭りを盛り上げる説明役ボランティアなどで活躍しています。
   大津祭曳山連盟のHPに詳しい説明があります。


    お囃子のリズムにのる外国人女性(左)、昼休みには、このような至福なひとときも(右)
  

その∞.気まぐれに追加するかも・・・・・上に]
   最後に、大津祭で見つけた哀愁?ある男の背中をご覧ください。  
   男の背中NO.1(240kB、GIFアニメ形式、画像7枚)
   男の背中NO.2(200kB、GIFアニメ形式、画像6枚)

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